この記事を書いた人:kazuki|パワーリフティング競技者
大会出場経験:パワーリフティング3回、シングルベンチプレス1回。初出場時の記録はトータル407.5kg。自身の試行錯誤した経験をもとに、初心者の方が迷いやすい「大会準備・フォーム・ギア選び」を、競技者目線の実体験ベースで発信しています。
パワーリフティングを始めると、ベルト、リストラップ、ニースリーブ、シングレットなど、いろいろな道具が気になってきます。ただ、初心者の段階で最初から全部そろえる必要はありません。大切なのは、練習の安定感を高めやすく、大会でも使う可能性が高いものから順番に選ぶことです。PowerLift Lab では、初心者が最初に優先しやすいギアとして、ベルト・リストラップ・シューズの3つを挙げています。
この記事では、初心者が最初に買いやすいギアとして、ベルト・リストラップ・シューズの3つに絞って選び方を整理します。どれを先に買うべきか、何を基準に選べば失敗しにくいか、大会ルールの視点で見落としやすいポイントまでまとめて確認できる内容です。JPAルールでは、ベルトは任意、リストラップは使用可能、シューズは着用必須とされているため、この3つを基準に考えるのは初心者にとって分かりやすい入口になります。
この記事でわかること
- 初心者が最初にそろえやすいギア3つ
- ベルト・リストラップ・シューズの選び方
- 最初から全部そろえなくていい理由
- 大会ルールで見落としやすい注意点
- どの順番で買うと失敗しにくいか
初心者が最初にそろえるなら、まずはこの3つで十分
パワーリフティングのギアは種類が多く、見始めると「何をどこまで買えばいいのか」が分かりにくくなりがちです。ただ、初心者の段階では、最初から全部をそろえるよりも、練習で使いやすく、大会でも関係しやすいものから順番にそろえる方が失敗しにくくなります。
最初から全部そろえなくていい理由
初心者のうちは、フォームの安定や練習の継続が最優先です。その段階で高額なギアを一気にそろえても、使いこなしきれなかったり、自分に合うか分からなかったりすることがあります。まずは「練習の質を上げやすいもの」「今後も使い続けやすいもの」から入る方が、結果的にムダ買いを減らしやすくなります。
ベルト・リストラップ・シューズを優先する理由
この3つは、初心者でも役割がイメージしやすく、練習の再現性にも関わりやすいギアです。ベルトは腹圧の感覚をつかみやすくし、リストラップは手首の安定感を補いやすく、シューズは立ち方や力の伝わり方に直結します。さらに、JPAルールではベルトは任意、リストラップは使用可、シューズは着用必須と整理されているため、競技の視点でも優先順位をつけやすい3つです
ベルトの選び方
ベルトは、初心者が最初に気になりやすいギアのひとつです。スクワットやデッドリフトで使うイメージが強いですが、単に「重い重量を扱う人向け」というより、腹圧の感覚をつかみたい人や、動作の安定感を高めたい人にとっても使いやすい道具です。
ベルトはどんな人に向いているか
ベルトは、スクワットやデッドリフトで体幹まわりの感覚をつかみたい人に向いています。初心者の段階では、まだフォームが固まりきっていないことも多いため、ベルトを使うことで「どこに力を入れるか」を感じやすくなる人もいます。もちろん、ベルトを巻けば自動的にうまくなるわけではありませんが、練習の安定感を高めるきっかけにはなりやすいです。
初心者が見るべきポイント
初心者がベルトを選ぶときは、まず「大会でも使える規格か」「自分で着脱しやすいか」「硬すぎないか」を見るのがおすすめです。JPAルールでは、ベルトは幅10cm以内、厚さ13mm以内で、皮革・ビニール・ナイロン製などの条件があります。初心者の段階では、最強スペックを追うよりも、まず使いやすく、普段の練習でも違和感なく扱えるものを優先した方が続けやすくなります。
具体的にどの厚みや形状が自分に合っているのか、その判断基準については下記の記事で詳しく比較しています。初めての1本で後悔しないための参考にしてください。
初心者が避けたい選び方
初心者が避けたいのは、最初から硬すぎるモデルや、自分の体格に対してサイズが合っていないものを勢いで買ってしまうことです。スペックだけを見て選ぶと、締めにくくて結局使わなくなることもあります。最初の1本は、「毎回の練習で使いやすいか」という視点で選ぶ方が失敗しにくいです。
おすすめのベルト
パワーリフティングの公式大会への出場も視野にベルトを購入するなら、以下のメーカーから選ぶのが良いでしょう。
- SBD:最も無難で最強。圧倒的な剛性とレバーアクションが人気
- 武器屋.net / ONI 鬼:国内メーカーの公認品。手に入りやすくコスパも抜群
- Inzer:世界シェアNo.1の老舗。とにかく頑丈で「一生モノ」の代名詞
- Titan:歴史ある海外の有力メーカー。シングレット等のギアと合わせた統一感も人気
- A7:米Pioneer製。ミリ単位の微調整や工具不要のレバーなど機能性が高い
パワーリフティング用のベルトは高価なものが多いため、初期費用を抑えたい方はメルカリを活用するのもおすすめです。中古品だけでなく、サイズが合わなかっただけの「ほぼ新品」が安く出品されていることもあります。
リストラップの選び方
リストラップは、パワーリフティングを始めたばかりの人には少し分かりにくいギアかもしれません。ただ、ベンチプレスを中心に、手首まわりの安定感を補いたい人にとってはかなり使いやすい道具です。価格帯もベルトより導入しやすいことが多く、最初のギアとして検討しやすいものでもあります。
リストラップはどんな場面で役立つか
リストラップは、ベンチプレスで手首が寝やすい人や、押すときの支点を安定させたい人に向いています。手首の不安感を減らしたいときにも使いやすく、練習中の再現性を高めやすいギアです。特に、フォームを大きく変えるというより、既にあるフォームを安定させる補助として考えると分かりやすくなります。
初心者が見るべきポイント
初心者がリストラップを選ぶときは、長さ、硬さ、巻きやすさを重視すると失敗しにくくなります。JPAルールでは、幅8cm、長さ1m以内とされており、装着範囲にも制限があります。また、親指ループをかけたまま試技することは禁止されているため、「ループ付きならそのまま使えばいい」と思い込まない方が安全です。最初は、極端に硬すぎるものより、自分で巻きやすく、普段の練習でも使いやすいものの方が扱いやすいです。
リストラップの長さや硬さの具体的な違い、正しい巻き方のコツについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
初心者にありがちな失敗
リストラップでは、長すぎるものを選んで扱いにくくなったり、硬すぎて自分で巻ききれなかったりする失敗が起こりやすいです。また、強く巻けばいいと思ってしまい、手首の位置から大きく外れて巻いてしまう人もいます。最初は「競技者っぽさ」よりも、自分で再現して使えることを優先した方が実用的です。
おすすめのリストラップ
パワーリフティングの試合を見据えてリストラップを選ぶなら、IPF(国際パワーリフティング連盟)公認であることは必須条件です。
IPF公認リストラップ:タイプ別おすすめ
- SBD リストラップ
- 特徴:パワーリフティング界で最も普及している王道ブランド
- 選び方:手首をある程度動かしたいなら「フレキシブル」、ガチガチに固めたいなら「スティッフ」が選べます。左右の区別があるため、巻きやすさも抜群です。
- ONI 鬼リストラップ
- 特徴:国内メーカー(武器屋.net)の公認品。
- メリット:コスパが非常に良く、長さのバリエーションも豊富です。
- Inzer アイアンZ リストラップ
- 特徴:昔からの定番。赤と黒のストライプが象徴的。
- メリット: 適度な伸縮性と強烈なサポート力を両立しています。マジックテープ(ベルクロ)の強度が非常に高く、試技中に外れる心配がほぼありません。
リストラップは、練習から試合まで汎用性の高い60cmが標準的です。90cmを超えるものは強力なサポート力を得られる反面、装着の難易度が上がり、手首のボリュームも増すため高重量リフター向けと言えます。
質感は、調整の利く「フレキシブル」と、手首を強固に固める「スティッフ」に大別されます。ベンチプレスのブリッジの高さや、手首を寝かせるか立てるかといったフォームの特性に合わせて、自分に合った硬さを選択するのが重要です。

私は SBDリストラップ の 「フレキシブル」 の Lサイズ(100cm) を愛用しています。
SBDのリストラップは、SBD公式サイト から購入可能です。
また、少しでも安く手に入れたい場合は、メルカリをチェックするのも一つの手です。サイズが合わず数回で出品されたものや、未使用のまま出品されているケースも珍しくありません。「まずは試しに使ってみたい」「練習用の消耗品だから少しでも安く」と考えるなら、写真で状態を確認しつつ、メルカリでお得に入手するのも良いでしょう。
シューズの選び方
シューズは、初心者が意外と後回しにしがちな一方で、実際にはかなり大切なギアです。JPAルールでもシューズの着用は必須で、使える種類やヒールの高さなどにも条件があります。つまりシューズは、練習の安定感だけでなく、大会に向けた準備という意味でも早めに意識しておきたいアイテムです。
初心者は「何用のシューズか」を先に考える
シューズ選びでは、まず「自分は何を優先したいか」を整理すると考えやすくなります。スクワットで安定感を出したいのか、デッドリフトで床を感じやすくしたいのか、それともまずは兼用しやすさを優先するのかで、選ぶ方向が変わってきます。最初から理想の1足を当てにいくより、自分の今の練習内容に合うものを選ぶ方が失敗しにくいです。
スクワット向けのヒールがあるタイプと、デッドリフト向けの底が薄いタイプでは、試技に与える影響が大きく異なります。各種目の特性に合わせた詳しい選び方は、こちらの記事を参考にしてください。
初心者が見るべきポイント
初心者がシューズを選ぶときは、ソールの安定感、靴底の硬さ、ヒールの有無、普段の練習でも使いやすいかを見ておくと選びやすくなります。JPAルールでは、スポーツシューズ、スポーツブーツ、ウェイトリフティング用またはパワーリフティング用シューズが認められ、ヒール高は5cm以内、中敷きは1cm以内、靴底は平らであることなどが求められています。大会も視野に入れるなら、見た目だけで選ばず、まずルールの範囲内かどうかを確認しておくと安心です。
初心者が避けたいシューズ
初心者が避けたいのは、ソールが柔らかすぎるランニングシューズや、競技向きでない靴をなんとなく使い続けてしまうことです。JPAルールでは、五本指タイプのような足趾分離型シューズやトレッキング用シューズなどは認められていません。練習では使えても大会では困る可能性があるため、「とりあえず家にある靴でいい」と考えない方が安全です。

シューズ選びは種目ごとの特性に合わせるのが一般的です。私は、スクワットでは剛性の高い「ONI STK-1」、ベンチプレスとデッドリフトには足裏感覚に優れた「JIRIKI JKP-#2」をそれぞれ履いています。
初心者はどの順番で買うべきか
同じ3つのギアでも、全員が同じ順番で買う必要はありません。大切なのは、自分の練習状況や課題に合わせて、最初の1つを決めることです。順番まで考えておくと、予算をかけすぎずに必要なものからそろえやすくなります。
最初の1つを選ぶ基準
最初の1つを選ぶなら、いちばん困っているポイントから考えるのがおすすめです。スクワットやデッドリフトで体幹の安定感を高めたいならベルト、ベンチプレスで手首の不安を減らしたいならリストラップ、足元から安定させたいならシューズという考え方がしやすくなります。大会を近いうちに意識しているなら、着用必須のシューズを早めに整える考え方も自然です。
予算をかけすぎない考え方
初心者の段階では、最初から高額なフル装備を目指す必要はありません。大切なのは、買ったギアを実際に継続して使えることです。最初は1つ買って使い込み、その後に必要性を感じたものを足していく方が、自分に合うものも見えやすくなります。収集ではなく、練習の質を上げるための道具として考えると選びやすくなります。
大会ルールの視点で見落としやすいポイント
初心者向けのギア記事では、使いやすさだけでなく「大会で困らないか」という視点も大切です。普段の練習で問題なく使えても、大会では規格や装着方法の違いで戸惑うことがあります。特にリストラップとシューズは、初心者が見落としやすい細かな条件があるので注意したいところです。
大会で使えるかどうかを事前に確認する
ギアを選ぶときは、まず大会ルールの範囲に入っているかを確認しておくと安心です。ベルトには幅や厚さの制限があり、リストラップには長さや装着範囲の制限があり、シューズには形状やヒール高の条件があります。初心者のうちは細かな公認制度まで深追いしなくても大丈夫ですが、少なくとも「ルール上大きく外れていないか」は見ておきたいポイントです。

ゴールドジムのベルトは「トレーニング用」としては優秀ですが、「パワーリフティング競技用」の規格では作られていないため、公式大会ではNGとなることが多いです。
要項やコスチュームチェックも前提に考える
大会では、最終的にコスチュームチェックや大会要項での確認が前提になります。つまり、通販サイトの説明だけで「これは大会で使えるだろう」と判断しない方が安全です。大会を視野に入れているなら、買う時点でルールとの相性を意識しておくと、後から買い直すリスクを減らしやすくなります。
まとめ
パワーリフティング初心者が最初にギアをそろえるなら、最初から全部を買う必要はありません。まずはベルト・リストラップ・シューズの3つを基準に考えると、必要なものを整理しやすくなります。既存記事でも、この3つは初心者が優先しやすいギアとして位置づけられています。
ベルトは腹圧の感覚や安定感、リストラップは手首まわりの補助、シューズは足元の安定に関わるギアです。JPAルールの視点でも、ベルトは任意、リストラップは使用可、シューズは着用必須と整理できるため、初心者が最初に考えるギアとして相性の良い3つといえます。
大切なのは、見た目やスペックだけで選ぶのではなく、自分の練習内容に合っていて、実際に使い続けやすいかどうかで判断することです。最初は1つずつでも大丈夫です。ムダ買いを避けながら、自分に合うギアを少しずつそろえていきましょう。
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